南アメリカの山々

南米の山は、開放的、明るい。パタゴニアでは、悪天が多いが、それでも晴れた場合は非常に美しい。初めて訪れたのは1989年。約半年放浪して、パイネとアコンカグアを登って来ました、それから何度か仕事で行きましたが、行くたびにきれいだな、と感動しています。しかし、旅行者、登山者が増え、観光地化している面もあり残念な所もあります。行くなら、早めに、が、私の意見です。

アコンカグア(6998m) インデペンデンシア小屋上のトラバース道、約6000m付近を行く!

 C1から夕焼けの山頂

いわずと知れた南米最高峰の山。アルゼンチンとチリの国境付近にある。アルゼンチン領内にある山。
登山期間 12月〜3月頃まで(現地の夏期間)
登山日数 約1ヶ月(高度順化を1週間見ています。別の山で順化すれば、20日でも行けます)
必要な技術 まず第一に体力。よほど強い人でない限り、前進キャンプを1個もしくは2個作成します。自分で荷上げし、撤収する力が必要。幕営技術、テント内外の生活技術も必要です。上部キャンプでは、雪または、氷から炊事をしなければなりません。また、運も必要!。天気が悪くなると強風と低温のためアタック時に好天に恵まれる必要あり。BCには、ホテル「山小屋よりは立派」があり、1泊??円程度で宿泊でき、食事、シャワーも可能です。また、お金を出せば、荷上げも可能です。ただし、1日100ドル以上しますが。

BC プラサデムーラス(ラバの広場 4350m) テント村 トイレ、水場あり、ホテルは少し20分ほど離れています

C1 ニードデコンドル(コンドルの巣 5500m)もしくは少し下のカンビオデニドル(傾斜の緩い所?の意味)

C2 ベルリン小屋付近、6000m弱。汚いです。テントサイトが少ない。強風・暴風のため、テントをとばされないように注意。

山頂、十字架あり。山頂に雪があるときは雪の多い時

 
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パタゴニア
南米大陸の南緯40度以南を、パタゴニア地方と呼びます。別名「嵐の大地」クリスボニントン著の[地の果ての山]に書いてある、チリパタゴニアのパイネ山群と、マストリのコンプレッサーによるボルト打ちで話題となった、アルゼンチンのセロトーレ・フィッツロイ山群が有名である。なぜか、パタゴニアという言葉には、人を引きつける魅力がある。日本にない、そして、ヒマラヤやヨーロッパにもない、厳しい気候の広大な地域、荒涼としているが、標高が低いため、緑が豊か、そして青い氷河の氷と、エメラルドグリーン、ブルーなどなんとも言えない美しい氷河湖、そして、クライマーを引きつける大岩峰、地の果てというイメージがぴったりである。

登山日数 約2ヶ月(長ければ長いほど、登頂の可能性あり。大半が天気待ちでしょう。)
必要な技術 まず第一にモチベーションを持ち続ける精神力。もちろん大胆な登攀力は必要。体力は、2〜3日全力で動ければOK。

パイネ山群全景パイネ チリの南端の港町、プンタアレナスからバスでプエルトナターレスへ、そこから車で4〜5時間でパイネに到着。トーレスデルパイネの登山口は、アマルガ湖の牧場から徒歩、1日。牧場オーナー、ぺぺ氏が、馬での荷物運搬をしてくれる。
 その他、いろんな所にキャンプ場あり。キャンプ場には、公園管理局の所員がいて、水洗トイレ完備の場所もある。

 
セントラルタワ−の登攀・バックはフォートレス  ・  トラバースを行く!

パイネノルテの長い一日  角谷道弘

1989年11月26日

 AM3:30頃日がさめる。きのうより気圧は940mbとなりかなり良い天気だ。星がきれいだった。同じBCのアメリカンパーティも起きているようだ。鍋田を起こし簡単な朝食を食べて、コーヒーをポットにつめ出発。5:00前にテントを出る。山靴をはくとき右からか左からか迷う。いっになく緊張しているようだ。「早く取付さのノッチについて登りはじめたい」そんな気分だった。途中にある岩小屋BCに着くまでに夜があける。トライデントの右のピークが朝焼けでオレンジ色にそまっていた。岩小屋でデポしたガチャ類をつめザイルに入れるとすごい量になる。30kgぐらいあるのではないか。重い!しかし弱音をはいてもはじまらないので急いで歩きはじめる。雪のつまったクロワール入口まで1hour半、暑い。あせがふき出してくる。天気は上々、風もあまり感じない。先行パーティが2パーティほど見えた。上にいるスペイン隊はクロワールを2Pは登っているようだ。岩小屋から出発したようだ。ザックがあまり重いのでFIXザイルを1本デポする。アイゼンを付けクロワールに取りつく。雪は固くアイゼンが気持ちよくきく。傾斜は下部25〜30度、上部は40度ぐらいだろう。気持ちは急いでいるが、体が重くすぐバテはじめる。いくら歩いても進んでいない気分だ。休める場所もなくただ苦しい登りだ。約2時間半でノッチ手前のミックス地帯に入る。どこに山靴とアイゼンをデポしようかと迷いながら1Pザイルをのばす。スペイン隊のデポ点でヤッケを着てフイーレにはきかえ、不用な装備をデポ。もうAM11:00近い。セントラルかノルテかどちらを登るかコルで決めようと思っていたが、この時間ではセントラルは無理。ノルテに取付くことにする。西のフオートレスの裏から雲がわきはじめた。いつの間にか風もでてきた。寒い。
 コルまでの1P、3〜4級だがまったくピンがない。ほとんどノープロテクションで行く。鍋田はネンザしたあとの足が寒くて痛むようなので、今日は私がTopで行くことにする。ノッチについたとたんすごい風だ。気持ちがあせり、変なムープで体をひねってしまい左うでがつってしまう。しばらくしてやっとビレイ点にたどりつきセルフを取ってザックをおろす。こんな調子では今日はだめかと弱気になる。ザイルを引く腕に力がはいらない。しかし鍋田を迎えるころには痛みもよくなりとりあえず登ることにする。PM12:15。コルまで予想以上に時間がかかった。しかし夜はPMlO:00まで明るいから残り持ち時間は10時間だと自分に言いきかせてスタート。1P、2Pは4級Al。しかしピンが少なく遠い。ナッツとフレンズの人工でぬける。1ケ所どうしてもぬけれなく1度ザイルにぶら下がってしまう。寒く体が動かない!風が強くなりアブミがまい上がりはじめ気持ちがあせる。スペイン隊が懸垂してくる。How much pich?と聞くとシエテ(7)と言ってくれた。彼らは4時間ぐらいで登ったようだ。単独の彼も降りてくる。ビレイ点ですごい風にあう。体が急にひえていくのがわかる。鍋田がロックしたスペイン隊の懸垂口一プをはずしてやり、やっと登ってきた。次は100mほどのコンテ。東壁側にまわり込むので風も少しは弱くなる。しかしフオートレスのうしろからはまっ黒い雲がしよせ青空はなくなり焦る。あと何時間もつだろうか?
 しかし、もう行くだけだ。スピードupしてフリーのピッチを行く。残置がはとんどなくフレンズとロックスをセットしてすばやく登る。ロープが重く50mのばせない。時計も見ないで夢中で登りつづける。何ピッチ登っただろうか。まわりはいつの間にかガスに包まれセントラルタワーもまったく見えない。最後の2Pはむずかしくハーケンを打ち、フレンズ、ロックスの人工でぬける。寒い。最終ピッチ手前ではじめてお茶を飲みビスケットを食べる。時間を見るとPM6:00をまわっていた。だいじょうぶ。あと持ち時間は4時間。PM7:00、2人でノルテ山頂に立つ。ガスで10m先も見えない。ぜんぜんうれしくなかった。これから下降が大変だと感じただけだった。ヤッケが白く確りはじめ、ヵラビナ、ハーケンが白くなっていた。
 懸垂のピンを見つけ出し下降をはじめる。2pぐらいはうまくいった。45mぐらいで次の支点があり安心する。しかし3P目ザイルがロックして動かない。2人がかりで引くがだめ。風が弱まるのを待って、ザイルを解いて波うたせ、ゃっとぬけた。4P目40m引いたところで今度はまったく動かない。風にザイルが流されクラックにロックしてしまう。スペアのザイルはザックに入っている。鍋田は切って捨てていこうと言うがまだセントラルタワーが残っている。ここでメインのロープを1本を失うのは痛い。もう時間のことは考えないことにして登りかえす。鍋田にビレイをたのみ、ロックしたメインにユマールをかけ登りかえす。ロックしたザイルの末端はクラックにはさまれていた。パイルで岩をはがしてやっと回収する。コンテを100m下り最後の2P、コルまでが本番だ。コルを吹きぬける風がものすごい。体が飛ばされそうだ。あたりもだんだん暗くなってきた。1P2人下降しロープを引く。風が弱くなるのを待って大急ぎで引く、がまた動かない。もういじめないでくれと叫びたい気持ちだった。2人とも残っている力をすべて出して大急ぎでロープをたぐる。あとコルまで1Pだ。風はますます強くザイルを投げると東壁側に横に飛ばされてしまうので待って降りはじめる。が風で体がふられザイルを落としてしまう。思ったとおり、ザイルが風で飛ばされ、数m右上のクラックに末端がロックしてしまった。シヤンテに体重をあずけ数m登り返す。ちくしょうと大声で2度3度叫んでいた負けるもんかと心にいいきかせクラックからロープをはずす。鍋田もコルまで下り、2人とも祈る累持ちで風の弱るのを待ちザイルを引く。たのむぅまくぬけてくれ。しかしまたザイルは動かない。また風が強くなりザイルは大きな弓形に引っぱられていた。2人とも気分は最悪。あと1p降りれば風のない世界に下れるというのに‥‥・。気がつけばザイルの色がわからぬはど暗くなっていた。一瞬風がやんだ。2人で残ったありったけの力でザイルを引く。動いた!ヘッドランをつけ、ああ助かった、とデポ点までまた懸垂をくり返す。山靴とアイゼンにはきかえ、ロープ2本だけを残しデボする。あと2P懸垂し雪面におり立つ。
 まっ暗で星もまったく見えない。ヘッドランの光を頼りにクロワールを下りはじめる。傾斜がわからずこわい。雪がゆるみアイゼンのツメが流れる。途中2ケ所の氷の滝はどうなっているのか不安なまま、ヘッドランプの照らす世界だけを見つめ白い雪面を下る。どのくらい下っただろうか。もう時間は気にならない。ときおりゴーツという風の音と共に氷片がクロワール上部より降りかかる。氷の滝もなんとかクライムダウンし、やっと氷河に近づく。少し星も見えてきた。傾斜も弱くなり、2人共安心し、疲れ、何度も雪面にすわり込み休んでしまう。やっと氷河の上に降り立ち、平らな一枚岩の上でシュラフカバ−にもぐり込みツェルトをかぶる。長い一日だった。そういえばタバコを一本もすっていない。空からはポツポッと雨つぶが落ちてさたが気にならなかった。鍋田にタバコをねだり、2人緊張感からやっと解放された。とりとめもない話をしながら、いつも間にか眠り込む。AM2:30。23時間の長い一日が終わった。


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フィッロイの朝焼け

アルゼンチン側のパタゴニアは、カラファテの町からアプローチとなる。定期バスあり。車で4時間ほど。登山口のエルチョルテンの村にはキャンプ可能。食料品も少しは買える。ここから日帰りで、フィッツロイのリオブランコBCまで往復できる。BCは過去の登山隊の掘っ建て小屋が残っている。
セロトーレを見に行く場合は、トーレ湖の少し上の避難小屋まで往復できるいい道がついている。セロトーレは巨大なアイスキャップをかぶっており、通常の神経では、とても登れる気がしない。 
セロトーレをバックに大岩に立つ!

フィッツロイ山群のルートマップ

 


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